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現代中国プロジェクト終了のご挨拶・代表 天児慧

NIHU現代中国地域研究プロジェクトに参加されましたすべての皆さまへ

第1期から参加されていた方は10年間、第2期から参加されていた方は5年間、本研究プロジェクトに参加いただき、数々の貴重な成果を出していただき、我が国の現代中国研究に多大な貢献をしていただきましたこと、まずは心より御礼申し上げます。またこの研究に資金的助成のみならず、若手研究者の派遣、様々な発信事業などにも積極的で多大なご支援を下さりました人間文化研究機構(NIHU)に対しましても心より感謝を申し上げます。
思い起こしますれば5年前に第2期事業が発足した当初は、全体的な目標を如何に描き、どのようなアプローチ、戦略、方法でそれを実現するか、率直に申し上げて暗中模索の状態でした。しかし本研究プロジェクトを終えるにあたり振り返ってみますと、自画自賛のようで恐縮ですが本当に多くの意義深い成果を出すことができたようです。

第1に、各拠点が独自に、あるいはプロジェクト全体として、政治・経済・社会・文化・歴史・外交・国際関係などあらゆる分野において現代中国に関する研究を深め、その成果を出版物として、あるいはシンポジウム・ワークショップなどを通して国内外に示すことができました。その上これらによって国内の研究者間はもちろん、海外の研究者とのネットワークがかなり進んだように思われます。

第2に、若手研究者の人材育成に多大な成果を上げることができました。NIHUのご支援によって、各拠点に各1名(中心拠点事業を行う早稲田大は2名)の研究者を派遣していただき、彼/彼女らを中心に各拠点の若手研究者の活動の場を拡大することができました。こうした人々の多くが現在、様々な大学や研究機関で専門の仕事に就くようになってきております。若手研究者の学術論文を選び現代中国研究叢書としてシリーズ化しました。5年間で18冊の成果を出すことができました。もちろんまだまだ十分とは言えませんが、少なくとも次代に引き継ぐ人材的基盤はかなり充実してきたと思われます。

第3に、海外発信の成果です。中心拠点の早稲田では、英文ジャーナルJournal of Contemporary Chinese Studies (年2回)と中文年報『日本当代中国研究』(年1回)を出版し、日本の中国研究の成果を発信しました。各拠点でも中文、英文の研究書、専門的なニューズレターなどを出版しました。特に中文の年報は、中国の大手学術出版社・中国社会科学文献出版社出版社から発行することができ、そのホームページのオンラインにも載せ、日本における中国研究の各成果をアピールすることができました。また、英文ジャーナルはその実績が評価されて、2017年より国際的な大手学術出版社のRoutledge社からその刊行のジャーナルとして発行されることになりました。雑誌のタイトルはJournal of Contemporary Asian Studiesに変更いたします。皆さまもこのジャーナルに積極的に投稿してくださることをお願いいたします。

その他国際シンポジウムの成果などを上げることもできますが、それらについては拠点全体のホームページ(http://china-waseda.jp/)をご参照ください。本プロジェクト事業は本日をもって終了いたします。しかし、早稲田大学現代中国研究所は人間文化研究機構が昨年度より開始しました北東アジア地域研究プロジェクトに新たに参加することになり、これまでの研究活動も続けてまいります。もちろんホームページも現状のものを継続して活用してまいります。したがいまして、各拠点の皆さまはこれを積極的に活用していただき、これまでの学術的なネットワークの要として活用していただければ大変ありがたく、また有効であるかと思います。こちらからも様々な研究活動情報をお伝えするようにいたします。

本プロジェクト事業は終わりますが、今後とも手を携えながら日本における現代中国研究を発展させていきたいと切に願い、皆さまの新しいご支援を賜ること、そして何よりも皆様の学術研究のますますの発展を祈念し、終了のご挨拶といたします。

人間文化研究機構現代中国地域研究第2期プログラム代表 天児 慧
2017年3月31日

│ 2017年3月31日 │

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